コッコと私の出会い【第5話】
近代養鶏の現実を知る
いつもありがとうございます。
連日猛暑が続き、クーラーが欠かせなくなっています。
しかしコッコの鶏舎にはクーラーはありませんが、本当に元気です。餌を食べる量が少し減りますが、水をたくさん飲んで、涼しい場所を探して体温調整をしています。
環境に順応して毎日おいしい卵を産んでくれるコッコには本当に感謝です。

さて、前回に引き続き私が二十代に経験したことをお話しさせていただきます。
大きなプロジェクトの第一段の任務を全うし、いよいよ最新鋭の養鶏施設での本格的な業務が始まりました。
その施設は、一棟あたり六万五千羽の鶏を飼育する鶏舎が二棟。
六羽ずつゲージに入れ、高層マンションのように積み上げられています。
鶏舎に窓はなく、空調は全自動で照明は薄暗くなっています。餌はもちろん糞処理も全自動で、卵はコンベアーで流れパック詰めまで、全て自動です。
農業先進国のオランダから輸入した最新鋭の設備ということもあり、連日多くの見学者が訪れました。
余談ですが、この後この形の施設は日本中に広まり、養鶏の近代化&大規模化が一気に進みました。
効率化が図られたことで、安価な卵が食卓に並ぶようになったのです。

私自身も例外ではなく、近代養鶏で効率化を図ろうと考え、「できるだけ安価な餌で一個でも多くの卵を採卵する」という「業界の教え」を守り、日々必死に仕事をしていました。
しかし、一年二年と経つうちに、少しずつ疑問が芽生え始めました。
なぜなら、私の毎日の仕事はというと、効率化のために六羽もゲージに押し込められストレスで毎日死んでいく鶏の処分、自動化の裏側で起こる機械の修理に追われていました。
そして何より決定的だったのは、役割を終えた鶏たちを出荷する際、骨がボロボロだったことです。
卵の品質についても決して良いとはいえませんでした。
つまり、効率化のため鶏を酷使し卵を産む機械のように扱うのが、近代養鶏の現実だと知ったのです。
そして私はどんどん養鶏への情熱が冷めていき、この仕事を一生の仕事にすべきかどうか悩むようになりました。

そんなある日、ある光景を見たことで一転しました。
それは脱走した鶏の姿でした。日光浴をして、雑草をついばむその姿は、養鶏工場の中とは別世界でした。
「自分がしたい養鶏はこれだ!」と私の情熱に火がともった瞬間でした。
次回へ続く
感謝
- 投稿者:
- kikaku











