シエルのチョコレートができるまで~焙煎・粉砕編~
美味しいチョコレート作りの秘訣が詰まった「焙煎」
カカオ豆の焙煎は、チョコレート作りにおいて味や香りを大きく左右する最も重要な工程の一つです。
焙煎によってカカオ豆の酸味や苦味が減り、水分が蒸発します。また、カカオ豆は高温で殺菌されるため、衛生面でも重要な役割を果たします。

しかし、カカオ豆の種類によって焙煎の温度や時間を調整する必要があるため、焙煎作業には繊細な技術と経験が求められます。温度や時間の微妙な違いが、最終的なチョコレートの風味に大きく影響を与えるのです。
焙煎を始める前に、豆が重ならないようにトレイに均等に広げます。こうすることで均等に火が通り、焙煎後の風味が均一に引き出され、チョコレートの質を向上させています。この手間を惜しまないことが美味しいチョコレート作りの秘訣です。

最大限に風味を引き出したチョコレートにするための「粉砕」
焙煎が終わったカカオ豆は、次の工程で粉砕されます。粉砕は機械を使って行われ、カカオ豆はカカオニブ(胚乳部)とカカオハスク(種皮)に分かれます。
カカオニブはチョコレートの風味に直結する重要な部分です。しかし、粉砕後のカカオ豆にはどうしてもカカオハスクが残ってしまい、機械だけでは完全に取り除けません。これらの皮が混じっていると、チョコレートの口当たりや風味が損なわれてしまうため、残ったカカオハスクは手作業で丁寧に選別しています。
ひとつひとつ手で取り除くことで、チョコレートの滑らかな口当たりと豊かな風味を生み出しています。

分けられたカカオハスクは捨てることなく、再利用しています。カカオハスクには独特の風味があり、新しい魅力的な商品として生まれ変わります。例えば、クッキーの生地に混ぜたり、カカオ風味のゼリーやドリンクの材料に使ったりします。こうして余すことなくカカオを活用することで、環境への配慮も行われています。
このように、カカオ豆の焙煎から粉砕、選別、再利用まで、一連の工程には手間と技術が詰まっています。焙煎によって風味を整え、機械と手作業を組み合わせて品質を高め、余すことなくカカオを活用する。これらの細やかな作業があってこそ、美味しいチョコレートが完成するのです。

- 投稿者:
- kikaku











